VBAC(ヴイバック)とは
Vaginal Birth After Cesareanの頭文字を取ったもので、
帝王切開後の経腟分娩の事を言います。
1人目の出産が帝王切開だと、2人目以降も帝王切開になるのが一般的だと思います。
ですが私は2人目は経腟分娩での出産に挑戦しました。
その理由と経過をレポしたいと思います
Contents
VBACに挑戦した理由
1人目の出産が帝王切開になって(詳細はこちら)、
決して後悔している訳ではありません。むしろやれることをやりきり満足しています。
私のように一度、帝王切開を経験していると、次のお産で子宮破裂する危険が大幅に増すため、次も帝王切開で産む方のが主流です。
私がVBACに挑戦しようと思ったのは、産院の先生の影響が大きいのです。
その産院では「自然なお産」を目指していて、帝王切開率が低く、他の産院や総合病院で帝王切開と言われた妊婦さんが、自然分娩で産みたくてやって来る、そしてそれを受け入れてくれる産院なのです。
信頼できる先生
その産院の先生は、産科医であると共に、麻酔科医の資格も持っているとのことで、何かあった時にすぐさま帝王切開に切り替えることが出来る、出なければ個人の産院でVBACはなかなか出来ない、とおっしゃっていました。
確かに何かあった時に、麻酔科医の先生を近隣の病院から来てもらうとして、それが早くても10分とかかかったとしたら、緊急時の10分て命取りになるのだと思いました。
NICUなどがある大病院だと、院内の連携で来てもらえるけれど、個人の産院だと提携していたとしてもやはり時間はかかります。
1人目を帝王切開で産んで退院する時の検診で、先生に2人目を経腟分娩で産める可能性などの話を聞くことが出来ました。
そしてその時の先生との話で、この先生なら間違いないという確固たる信頼が私の中に出来たのです。
臨月に入って
1人目の時も、「子宮口が開いていない、もっと体を動かして!」と言われ続けて、ひたすら歩いた臨月の日々。
今回も、子宮口は固く閉ざされたまま。
しかも2人目は、上の子がいるから長時間のウォーキングには行けない。
上の子を連れて、公園に行ったりお散歩したりするけど、子供のペースに合わせていると大した運動量にもならないし、実家に戻ってからは、お昼寝している間にウォーキングに行ったりしたけど、それもせいぜい1時間程度。
前回が帝王切開だったので、「経産婦と言えども下から(経腟分娩)のお産は初産と同じと思って」と言われているので、気持ちばかりが焦ります。
予定日を過ぎて
予定日に行った検診で、子宮口は2センチ開いていた!
1人目の時より開いているけれど、まだまだ固い。
そして1人目が帝王切開だと予定日過ぎて1週間が限度と言われ、1週間後までに陣痛が来なければ手術になるとのこと。
つまり1週間がタイムリミット。
もう泣いても笑っても最後なんだ!と思って、とにかく時間を見つけてスクワットしたり、階段の昇り降りしたり、雑巾がけしたり、頑張って動きました。
もちろん帝王切開だって、立派なお産だと思うし、自然分娩じゃなきゃ嫌!ということではないのです。
結果的に2人目も帝王切開になったとしても、いいのです。
でも、可能性があるうちは、自分で出来ることはやり尽したい!
あの時もっと動いておけばよかったなんて後悔しないためにも。そう思って、もうひたすらひたすら動き回りました。
追い込み
1人目の時もウォーキングしたり、スクワットしたり、ひたすら動いていたのですが、お腹が張ってきたらペースダウンしていました。
ウォーキングしていてお腹が張ってきたらゆっくり歩くとか、ちょっと休憩したりとか。
でも、気付いたんです。
お腹張ってからが勝負だ!
と言うことに。
これは、あくまで私の場合であって、お腹の張りやすい人とかは真似しちゃいけないと思うのですが、
私のように妊娠期間中、お腹が張るってことがあまりない張りにくい体質で、そして予定日過ぎても子宮口開かない、一向に赤ちゃん下がって来てません、胎動もめっちゃ感じてます、っていうなら、
お腹が張ってきたら、そっからが勝負でいけるとこまで追い込む!
さすがに痛くて止まらざるを得ない!ってとこまで追い込む!
このくらいやっていい、むしろやらないといけないのだ!と悟りました。
正産期に入るまでの運動は、「適度に無理せず」が大切だけど、
正産期に入って、ましてや予定日超過してるなら、陣痛につながってもいいんだから、むしろ陣痛につなげるくらいの追い込みをかけてかなきゃいけない、
予定日過ぎて悠長に歩いてる場合ではないのです!
ましてや私は、この1週間で陣痛来るかどうかで運命が決まるのだから。
生まれる?!
入院する日の前日
毎日毎日、お腹が張っても動いたけれど、陣痛やお産の兆候はなく。
泣いても笑っても、あと一日と言う日の朝。
おも~い生理痛のような腰の痛さで目が覚める。
いつもより早い朝6時前。
「何この痛さ?まさか陣痛?」
どんどん痛くなってくる。
そしてお股に何やら感触があり、トイレへ…
「お し る し キーーーターーーーーー!」
これぞ「おしるし」と言わんばかりの「THEおしるし」が付いている!
痛みもどんどん加速度つけて強くなってきている。
産院に電話したら、「すぐ来てください」とのこと。
準備をしている間にも、どんどん痛くなってきて、車の中でも我慢できず「痛い~痛い~」と声を出さずにいられない。
産院へ
産院に到着して内診してもらったら、子宮口4センチ開いているとのこと。
1人目より断然早いスピード!
しかも痛さも容赦なく強くなっていて、もう身をよじらないと耐えらえない。
しかし1人目は帝王切開だったから、2人目と言えども初産の進み具合と考えないといけないから、きっと早くても今日の夜とかなんだろうなぁとあまりの痛さと先の長さに絶望的になる。
しかしVBAC希望なので、何かあった時のために帝王切開にすぐ移れるように並行して準備をしておくとのことで、剃毛などの処置をされる。
全く自分が今どの辺にいるのかよくわからないが、母と先生の会話から意外と進んでいるらしいことが聞こえて希望が見えてくる!
朝6時に目が覚めて、産院に着いたのが7時前くらいで、おそらくこの時8時過ぎくらい。
だんだん叫ばずにはいられなくなってきていた。
もう何分間隔とか見てる余裕はなく、痛みが強すぎて、陣痛と陣痛の間ですら痛いと感じる。
分娩室へ
もう痛みに耐えられなくなってきて、イキみたくなってくる。
まだ早いのはわかってるんだけど、うまく逃せられなくて力をいれてしまう。
もう我慢するのがツラくなってきた、その時。
先生から分娩室へ移動の指令が!!
か、神の声~!
朝6時頃から痛みが始まって、でもきっと生まれるのは夜か明日とかなんだろうなぁと思っていたのに、何というハイスピード!
まだこの時、9時くらいでした。
分娩室までの道のりが遠く感じたけど、
それでも希望の道のり。
もうすぐ会えるんだ!
3分間隔くらいの間の歩ける時に歩いて、何とか分娩室に到着。
もうそこからは無我夢中で、
でも割とクールな助産師さんだったから、あまり声かけとかなく、何とも静かな中に私一人がうんうんうなっていたのだけど、
先生と助産師さんの動きがあったと思ったら、
あっという間に赤ちゃんが誕生したのでした!
後で生まれた時間を聞いてびっくり、なんと3時間50分の超スピード出産でした!
無事に誕生して
1人目は丸3日もかかったのに、2人目は超スピード出産でした。
しかもVBAC成功!
信頼できる先生がいたからこそ挑戦できたVBACだったけれど、やっぱり子宮破裂のリスクはずっと頭の中にあったし、特に予定日過ぎてからはやっぱり帝王切開の方がいいのかなと弱気になったりもしました。
VBACは先生の技術、産院の設備、何かあった時の連携、そして妊婦さんの順調な経過などが揃って初めて挑戦できるものだと思います。
私自身は帝王切開も経腟分娩も、両方を経験して、どちらも尊い出産だと心の底から思っています。
出産はどれだけ時代が変わっても、生命の神秘であると思うし、命がけのことだと思います。
VBACを選択するということに賛否両論あると思います。
自分が成功したからと言って、「VBACいいよ!」なんて気軽におススメできるものでもありません。
しかしこの2人目出産レポが、VBACを考えている方の情報の一つになればと思います。