1人目は、破水から始まり3日かかって、帝王切開での出産となりました。
初めての帝王切開は、想像していたものと全然違いました。
帝王切開は ”楽“ なんて言われたりしますが、
声を大にして言いたい!
帝王切開が楽なんて言ったの誰だー!楽なんかじゃなかったぞー!!
実際に帝王切開したリアルを書きたいと思います。
Contents
帝王切開が決まって
私の場合は、予定帝王切開ではなく、
破水から始まり陣痛促進剤を使っても子宮口が全開せず、赤ちゃんの頭も下がりきっていないので吸引分娩も出来ず、破水から3日過ぎこれ以上長引かせるといけないので、緊急帝王切開となりました。
先生からそのことを告げられてから、剃毛やら血圧測ったり血管を取ったり、何やらの処置で急に慌ただしくなりました。
手術室(分娩室)へ
旦那さんとも母とも別れ、手術室へ行きます。
個人の産院だったので、手術室は通常の分娩室だったようで、ドラマのような大きな照明がバーン!とあるような手術室とは違いました。
ドキドキの私とは裏腹に、助産師さんたちは世間話なんかしながら準備しています。
「昨日の○○がさぁ~」ってな感じ。
まぁ慣れているんだとは思いますが、そこはさ、ねぇ。
麻酔
いよいよ麻酔です。言われるがままに姿勢をかえて、確か3本くらい打ったと思います。
腰にする注射が一番痛かった。
「動かないでね!」って言われるんだけど、刺さった瞬間ビクッてなっちゃって、「動いたらダメ!」って軽く怒られる。
でもこれ動くなって無理じゃないか?動こうとしてるんじゃなくて反射だもん。
とか思ってるうちに、
「麻酔効いてる?」って聞かれる。
でも自分では、下半身の感覚がよくわからない。
「お腹押してるけど、わかる?」って言われるけどわかるようなわからないような。
「結構強く押してるけど、わかる?」って聞かれて、
何となく押されてる感じです。
と答えると、それはかなり強い力だったようで、次に
「今、お腹切ってるけど、痛い?」と聞かれる!
その質問に背筋が凍った!!「今お腹切ってる」って!!
全然痛さは無いんだけれど、シュールすぎる…
誕生
ひえぇぇぇ~と思っているうちに、先生たちはカチャカチャと進めていき、もう全然感覚がないから、どうなってるんだろ?赤ちゃん大丈夫かな?と祈る気持ちでいたら、
おぎゃ~~~~~~~ぁ~~~~!
無事に赤ちゃん誕生!
ここまで手術室に入ってから30分くらいでした。
そして、ここからが帝王切開の本当のツラさの始まりでした。
術後
麻酔が切れるまで
すべてが終わってから、しばらく回復室のようなところで休んでから、病室に移りました。
この時は麻酔が効いているので、さほど苦しみはありませんが、私の場合、2日間陣痛促進剤をしていたこともあり、ほっと安心したのもあり、この時点で疲労困憊です。
病室に移ってから、導尿のカテーテルを入れたり、悪露のナプキンを当ててもらったり、そして足にエアーマッサージのような物を装着します。
実は帝王切開で一番怖いのは、術後の血栓が出来ることなんです。(詳しくはこちら)
血栓ていうと有名なのは、「エコノミークラス症候群」ですね。
予防するためには足を動かすことが大切ですが、麻酔が効いているので動かせないため、エアーマッサージで血流を良くします。
腕には点滴の管が、下には導尿の管が、そして足にはエアーマッサージが付けられ、何だかがんじがらめの状態です。
旦那さんと母が居るので、赤ちゃんも連れて来てもらってましたが、赤ちゃんが泣いても抱くこともあやすことも出来なかったのは、とても切なかったです。
麻酔が切れてから
次第に麻酔が切れていき、痛みがやって来ます。
切った痛みだとばかり思っていましたが、どうやら後陣痛の痛みもあったみたい。まぁとにかく鈍い痛みが続きます。
痛み止めは、夜中の方が痛みが強くなるらしいので、あんまり最初に飲み過ぎると飲める量が決まっているから、考えて飲んだ方がいいと言われ、まだこれ以上痛くなるのかと恐ろしくなります。
そして、てっきり安静に寝ていればいいのだと思っていたら大間違い!
エアーマッサージの機械を付けていれば大丈夫!って訳ではなく、出来たら足を動かしたり、寝る向きを変えたりして、とにかく同じ姿勢でいない方がいいとのこと。
身体を動かすことは、血栓の予防だけでなく、
子宮の回復、そして傷の回復も早くなるとのこと。
出来るだけ動いてねって、
はっきり言って無理です!無理!
で、この時初めて知ったのですが、
普段何気なくしている行動が、実はものすごく腹筋を使っているのです!
なので、
ちょっと向きを変えようにも、お腹に激痛。
ちょっと足を動かそうにも、お腹に激痛。
テーブルの上のものを取ろうなんて無理、
ましてや寝返りなんて、無理無理無理無理ーーー!!
動かして大丈夫なのは、手と首だけ。
それも首を左右に動かすなら大丈夫だけど、首を持ち上げるのは、無理。
手だけならいいけど、腕を肘以上動かすのは、かなりツラい。
でも「動かした方が回復が早いから」と言われ、がんばって寝ながら動かす努力をしていました。
そして何よりツラかったのが、『咳』でした。
めちゃくちゃお腹に響くんです。これが痛いのなんのって!!
まだ手足は動かすのは自分の意志だし、無理なら動かさなければいいのですが、『咳』は勝手に出てくるし、止めようとするにも変な力がお腹に入って痛い。
結果、『咳』を回避しようとして、余計苦しむという…
手術翌日
長い夜を乗り越え、待望の朝がやって来ます。
痛みやら、寝返りの打てない体のだるさやらで寝付けず、長い夜でした。
やっと食事を出してもらえます。
といっても出てきたのは、お粥と海苔の佃煮だけ。さもしい…
いよいよ歩行
足のエアーマッサージも外され、これからはどんどん動けと言われます。
まだ昨日の段階では、「出来るだけ」って感じだったけど、今日からは「必須」って感じです。
でも、赤ちゃんが泣いていてもあやすことも出来なかったのが切なかったので、赤ちゃんのためにも早く動けるようになりたかったので頑張る決意!目標は新生児室まで歩いて赤ちゃんに会いに行くこと!
そのためには、立ち上がることから始めなければいけませんが、そこまでの道のりが長い。
①まずベットのリクライニングを起こします。
②そしてゆっくりと肩を立ちたい方向にねじります。
一旦休憩
③リクライニングしているベットに手をついて、身体を起こします。これで座れた状態。
④お尻をそろりそろりとずらして行きます。
一旦休憩
⑤ベットの備え付けのテーブルを前に動かしてきて、手を置きます。
⑥腕に重心を移動させて、ゆっくりとゆっくりとお尻を浮かしていきます。
この体重移動する時が、腹筋に力が入って一番ツラい!
一気にいっちゃえば!って言う訳にもいかず、この⑥のところで何度も座っては、トライしてを繰り返します。
そして、そして、そして、何度もトライして身体を慣らしていって・・・
立てた~~~~~!
もうあのシーンを思い出さずにはいられません。
『クララが立った』
アルプスの少女ハイジの名場面です。
今もう一度あのシーンを見たならば、もう涙無くして見れないでしょう。
クララの大変さが身に染みてわかりすぎて。
子供心にクララってそんなに好きじゃなかったけど、今は違います。
もう勝手に同士の気分です。
とまぁ余談は置いといて。
意外や意外、立ってしまえば腹筋って使わないようで、立っていられるのです。
逆に立ったら最後、座ると立つ苦しみは味わないといけないので、立ったまま部屋の中を移動してみます。
まずはテーブルとか何かに掴まって上半身の体重を預けてしまえば、ズリズリとすり足で何とか動くことが出来ました。
でもまだ微熱もあるようで、動くたびにフゥフゥと息が上がります。
新生児室へ
立ち上がる→歩く→座る
というのを何度か繰り返し、次第に歩くことに慣れてきたので、いよいよ新生児室へ行ってみることにしました。
ドアを開けて、そろりそろりと抜け出し、
廊下に出ると手すりが付いているので、それに体重を預けながら、ズリズリと一歩ずつ歩いて行きます。
まだまだ普通には歩けず、手すりにつかまらなければいけませんが、ゆっくりゆっくりと足を進めていけば何とか歩けます。
そして到着した新生児室。
自力で会いに来ることが出来て、初めて自分はママとしてのスタート出来たような、そんな気分でした。
手術2日後以降
動けるようになるまでは、ものすごく遠い道のりに感じたけれど、看護師さんも言ってたとおり、動くことで回復が早まったように思います。
私が新生児室まで歩いて行けた翌日には、日中は母子同室になり、授乳も開始しました。(出なかったけど…)
まだまだ動作はすんなり出来ず、お腹に力が入る場面では時間をかけないといけなかったし、まだまだ痛みもあったけど、ベッドの上に起き上がっていられるようになってきます。
そして手術後4~5日には、だいぶ調子も戻ってきます。
この頃になると、お見舞いに来てくれる人もチラホラと…
その時に要注意なのは「笑う」こと。
これめっちゃくっちゃお腹にくるんです。お見舞いに来てくれた友達なんかと話していたらついつい盛り上がっちゃうと大変。
にこにこ笑ってる分には問題ないけれど、友達が面白いことなんて言おうものなら地獄を見ます。これは『咳』と共に退院後もしばらく続くので要注意です!
最後に
自分が帝王切開をしてみて、後から知った「帝王切開は楽」という誤解。
確かに生まれるその瞬間においては楽なのかもしれませんが、その後の苦しみは想像を絶するものがありました。
私は陣痛も経験しましたし、2人目以降の出産では経腟分娩も経験したので(それはまた別記事にて)、すべてを経験したうえで、それでも帝王切開が楽だったとは思いません。
でもすべて自分一人だったら心が折れてしまっていたかもしれませんが、赤ちゃんのため、やっと会えた我が子をこの胸に自分の力で抱く、そのために頑張ってこれました。
これから帝王切開する方には、少しでも情報があればと思い、
またそれ以外の方には、帝王切開のリアルを少しでも知ってもらい「楽」だという誤解を少しでも無くなればと思います。